脳卒中の再発を予防するための4つのポイントとは

再び脳卒中にならないために

脳卒中になると後遺症の克服だけでなく再発の予防も心がけなくてはなりません。

なぜなら、脳卒中は一度なったら再びならないをいうことはなく、むしろ経験者の方が
再び脳卒中になるリスクが高いからです。

ですので脳卒中になった方は、どうしても再発の可能性が付まとう事になります。

また、再発予防が大切なのには理由があります。

再発、再々発と脳卒中を繰り返すと、心と身体共にその都度状態が低下します。
つまり現在以上に身体の状態が悪くなるなってしまうという事です。

今は杖だけで歩行が可能な状態だとしてら、再発後は杖の他に装具が必要になって
しまったり、車いすが必要になってしまったりと、再発を繰り返すたびに悪化して
しまう可能性があります。

結果、再発を繰り返すとそれと共に生活の質も落ちてしまうのです。
しかし、再発の事を心配して積極的な行動を避けていてはいけません。

十分な再発の防止策をすれば、積極的な行動ができ、充実した生活を送ることが
可能なのです。

それでは、再発の防止策とは一体どんなものなのでしょうか。

 

再発を予防するためには次の4つの柱があります。

１．脳卒中の原因となった病気の治療
２．生活習慣の改善
３．薬物療法
４．手術

 

１．脳卒中の原因となった病気の治療

脳卒中の原因となり得る病気で多いものは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあります。
これらの疾患は脳卒中を引き起こす危険因子になってきます。

この危険因子をそのままにしておくと、脳の血管を傷めて再び脳卒中を引き起こすことに
なりますので、まずは危険因子の原因となる疾患をしっかり治療をして再発の予防を
しましょう。

 

２．生活習慣の改善

脳卒中の再発を防ぐには、健康的な生活を送ることが大切です。
例えば、食事や運動、今まで喫煙をしていたのなら禁煙をするなど今までの生活を
見直して下さい。常日頃から健康に気を付けましょう。

では、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか？

具体的に幾つか挙げていきますね。
基本的なことなので、是非実行して下さい。

①ストレスや疲労をためない。

寝不足、疲労、ストレスは交感神経を刺激し血圧を上げるホルモンを出しやすくします。
高血圧は動脈硬化を促進しますで、過労は避け十分に睡眠をとってストレスのない
生活を心がけて下さい。

②十分な水分を摂る。

十分な水分を摂って脱水に気を付けましょう。
脱水になると血液の濃度が濃くなり固まりやすくなります。
いわゆるどろどろ血液の状態です。
血管で血液が固まり詰まりやすい状態です。
脳梗塞のリスクがありますので気を付けましょう。

③適度な運動を心がける。

身体に麻痺があるとどうしても運動量が少なくなります。
適度な運動には様々なメリットがあるので、無理をせずに身体を動かすことを
心がけましょう。

少しずつでよいので継続してみて下さい。

④食べ過ぎない

後遺症により以前よりも運動量は減っています。
以前と同じ量を食べていると、どうしても肥満傾向になってしまいます。
肥満は、糖尿病や高脂血症などの脂質異常症、高血圧などの症状を悪化させます。
それらは共に動脈硬化を促進させる危険因子です。

普段から野菜、高タンパク低脂肪を中心とした食事を心がけましょう。
食事の量も腹八～七分目を習慣にしましょう。

⑤禁煙

たばこを吸うと血管が細くなりますし血流量も減少します。
当然脳への酸素供給量が減少します。
たばこを吸う習慣のある人は是非禁煙をして下さい。

⑥アルコール

適度のアルコールは、血行改善などよい働きがあるとされています。
しかし、多量の飲酒は血圧上昇により脳出血や、くも膜下出血などを発症するリスクが
増加します。
また、脱水症により脳梗塞の原因ともなりますので、注意して下さい。

 

３．薬物療法
脳梗塞の原因は血管に血栓ができ血流が妨げられることですから、血栓ができるのを
防ぐことが再発の予防になります。
そのために血栓ができないようにする薬を使用します。

ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞には、「抗血小板薬」
心原性脳塞栓症には、「抗凝固薬」が用いられます。

これらの薬は再発を予防するための薬で、飲んだからといって特別に今ある症状が
変化するわけではありません。
しかし、再発を防ぐということでは大切な薬なので毎日飲み続ける必要があります。

 

４．手術
脳血管に奇形があったり、頸動脈が動脈硬化により細くなっていると、脳卒中の再発の
リスクになりますので、これら脳卒中のリスクの原因を手術により取り除きます。

以上、１～４まで見て来ましたが患者さん本人と家族の方が出来るのは主に２の生活習慣の改善と３の薬を飲み続けるということだと思います。

特に重要なのは２のことを心がけ日々の生活習慣を規則正しく過ごすことです。

出来ることから初めてみて下さい。